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対話篇という物語形式

 岸見一郎、古賀史健著、ダイヤモンド社出版の「嫌われる勇気」はアドラー心理学をわかりやすく、青年と哲人の対話形式でまとめた本です。アドラー心理学はいずれ選択理論心理学と比較しながらご紹介したいと思いますが、今日はこの対話形式という方式について感じたことをお話したいと思います。

 まずは、会話=口語であるのでとにかく読みやすいのがうれしいです。そして、「あれっ?」と思ったことを青年が質問してくれます。通常の本ですと、とにかく筆者の主張が淡々と述べられる為、読みながら「そうかなー?」と思っても誰もその疑問に付き合ってはくれません。

 私のエグゼクティブコーチングの師匠が、「クリティカルリーディングしなければいけない」と話していました。要は、筆者の意見を鵜呑みにするのではなく、常に、意見を持ちながら読み進めなければいけない、クリティカルシンキングしながら読書せよとのことです。「そうかなー?」と考え続けながら読み込むということでしょう。対話形式ですと、まさに本のなかでクリティカルリーディングが行われています。

 単に読みやすいということばかりでなく、常に読者の疑問、質問を想定しながら執筆していく奥の深さを感じさせてくれました。